男鹿のナマハギと年の神
どんな伝承か
男鹿のナマハギは、正月十四日の深夜に蓑笠をつけた神が家々を訪れる行事である。土地の人の直話では近年もう著しく衰えたという。恐ろしい声を出し、言うことを聞かない子供は大いに嚇され、親の仲裁によってようやく宥してもらい、その晩はおとなしく寝る。子供のない家でも色々難しい文句を述べ、後に酒を出されて仮面の下から飲む。太平洋に面した奥州の一部では、この小正月の晩に来る蓑笠の神をナゴミタクリ、ヒカタタクリと呼び、小刀を筒のような器に入れて鳴らして来る村もある。ナマもナゴミも火だこ、すなわち怠け者の徴を指す語で、その皮を剥いでやると称して脅すのである。男鹿の人々はナマハギを霊山の嶺から降りて来るものと認めていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第2巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第2巻』を全331話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。