不動山を嫌った神明さまの祟り
どんな伝承か
広袴には以前六つの小社があり、いずれも妙全院の管理下にあった。うち一つの神明社は近世この村の産土だったが、明治末年の神社合祀で能ヶ谷の社へ吸収される。村人は社地を売らずに残し、不動さまの境内へ石の祠を建てて自分たちだけの祭を続けた。ところが近ごろ村に病人や不幸が相次いだため、神明さまが不動山にいるのを好まぬのだと衆議が一決し、祠は元の社地へ戻された。それでも小さな石祠だけでは足りないというので、祭典のほうは今も不動堂の中で営まれている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第3巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第3巻』を全158話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。