府中まで広がった五反田節
どんな伝承か
五反田節という民謡は、文句の選び方にも発想の形式にも文字文芸の匂いが残るので、純然たる野の声ではなく座敷の産物だろうと柳田は見る。それでもゴタンダという四つの音は、この歌の気分に実によく合っているという。是さま節の変化である初瀬節が関東の各地で歌われながら大和の初瀬では知られていないのに対し、五反田節は地元の人に記憶され、しかも府中の近くまで広まっていた。それは蔦が榎にからむという気取った文句が人を引いたためで、地名そのものへの興味ではなかったと説く。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第3巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第3巻』を全158話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。