鏡に映して描いたと伝わる肖像
どんな伝承か
秋田県六郷町の高橋氏に所蔵される晩年の菅江真澄の肖像画は、奇怪な風説の種になったものである。もとは同じ仙北郡板見内村の出原某の家に伝わり、翁が鏡に映して自ら描いたものというが、その点は信じ難く、筆致構図の上からも他の本職画家の作であろう。翁がこの地方を巡遊していたのは文政八九年以後のことだから、七十歳もやや過ぎて後の面影で、容貌服装もおそらく当時の真を写していると思われる。同じ家には加藤月篷という人の書いた真澄翁の伝が、この画像と対幅にして伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第3巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第3巻』を全158話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。