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境木・和山峠の狼の群れ

所在地岩手県遠野市(境木峠)
年代昔
登場駄賃馬を追う馬方たち
出典定本柳田国男集 第4巻

どんな伝承か

境木峠と和山峠との間では、昔は駄賃馬を追う者がしばしば狼に逢った。馬方たちは夜行には大抵十人ばかりも群を成し、その一人が牽く馬は長綱といって大抵五六七匹までであるから、常に四五十匹の馬の列となる。ある時、二三百ばかりの狼が追い来り、その足音は山もどよむばかりであったので、あまりの恐ろしさに馬も人も一所に集まり、そのめぐりに火を焚いて防いだ。それでもなお火を躍り越えて入り来るので、ついに馬の綱を解いて張り回らせたところ、何事かと思ったのか、それより後は中へ飛び入らず、遠くから取り囲んで夜の明けるまで吠えていたという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)

『定本柳田国男集 第4巻』は、柳田国男の著作を集めた定本の一巻である。岩手県遠野の伝承を佐々木鏡石から聞いて書いた「遠野物語」、山に入った人や神隠しを論じた「山の人生」、河童・ひだる神・一つ目小僧・天狗などを扱い妖怪名彙を付す「妖怪談義」を収める。ほかに「山人考」「史料としての傳説」「比丘尼石の話」「山人外傳資料」「『イタカ』及び『サンカ』」「山民の生活」など、山人・漂泊民・妖怪をめぐる論考を併せる。

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