相模野ぢんだら沼の巨人尻餅伝説
どんな伝承か
相模野の中央、横浜線淵野辺駅から東南へ小一里のところに大沼と小沼という二つの沼があり、これがかつて「郷土研究」に報告されたぢんだら沼だと柳田は推定する。十一月末に訪ねてみると、高座郡大野村の大字鵜野森に属する東の小沼は水溜まりと堀を残してあらかた水田になり、西に並ぶ大沼は一面の葦原で、西北岸の大沼神社と大沼新田の民家によって沼の位置が分かるだけだった。ヂンダラとはこの地方の方言で尻餅を搗くことをいい、大昔、大太良坊というとてつもなく大きな人がここでヂンダラを踏んだため尻の跡が窪んで二つの沼ができ、前に垂れていたものを引きずった跡がふんどし窪になったと伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第4巻』は、柳田国男の著作を集めた定本の一巻である。岩手県遠野の伝承を佐々木鏡石から聞いて書いた「遠野物語」、山に入った人や神隠しを論じた「山の人生」、河童・ひだる神・一つ目小僧・天狗などを扱い妖怪名彙を付す「妖怪談義」を収める。ほかに「山人考」「史料としての傳説」「比丘尼石の話」「山人外傳資料」「『イタカ』及び『サンカ』」「山民の生活」など、山人・漂泊民・妖怪をめぐる論考を併せる。