伊豆松崎の神隠し少年
どんな伝承か
民俗学者柳田国男が集めた「神隠し」の実例の一つ。伊豆の松崎で、十数年前(明治後期)に神隠しに遭った者があった。三日ほどして、東の山の中腹に一人で立っているのを見つけ出されたが、そこは何度も捜索者が通ったはずの場所であり、それにもかかわらず見つからなかったことが、後々まで土地の人々に不思議がられたという。柳田はこの話を、上総東金付近の村の例などとあわせ、近代の各地における神隠しの実例として書き留めている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第4巻』は、柳田国男の著作を集めた定本の一巻である。岩手県遠野の伝承を佐々木鏡石から聞いて書いた「遠野物語」、山に入った人や神隠しを論じた「山の人生」、河童・ひだる神・一つ目小僧・天狗などを扱い妖怪名彙を付す「妖怪談義」を収める。ほかに「山人考」「史料としての傳説」「比丘尼石の話」「山人外傳資料」「『イタカ』及び『サンカ』」「山民の生活」など、山人・漂泊民・妖怪をめぐる論考を併せる。