古口の外川神社に住んだ常陸坊海尊
どんな伝承か
常陸坊海尊は高館の落城に先立って山に隠れ、仙人となって富士や浅間、湯殿山などに時々出現したと『広益俗説弁』巻十三にいう。羽前最上郡古口村の外川神社の近くにも、海尊仙人が住んでいたという口碑がある。会津実相寺の残夢、能登狼煙村の山伏山、加賀の残月など、足利時代の末には諸国に海尊が生きていたという噂が多かった。柳田は、永い年月にはどこへでも行ったであろうが、それにしてもあまりに口が多く、話が少しずつ食い違っているのは、やはり沢山の同名異人があったためではないかと述べている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第4巻』を全822話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。