頼豪阿闍梨の呪いと夭折した皇子
どんな伝承か
『平家物語』に見える話。白河院は在位中、最愛の中宮賢子に皇子が生まれることを願い、三井寺の頼豪阿闍梨に祈願を命じて、成就すれば望みどおりの褒美を与えると約束した。頼豪が百日祈禱すると中宮は懐妊し、皇子が生まれた。頼豪は三井寺に戒壇を建てることを願い出たが、帝は延暦寺をはばかって許さなかったため、頼豪は持仏堂にこもり帝を呪いながら餓死した。まもなく皇子は病に伏し、錫杖を持つ白髪の老僧が枕元に立つ姿が人々の夢にも幻にも現れ、皇子は四歳で亡くなったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
異界巡礼(小松和彦)
『異界巡礼』は、小松和彦が著した民俗学の論集である。狐が人に化ける方法と如意宝珠、蓮如絵伝の異人、鬼退治譚と怨霊、家の盛衰をめぐる民話、夢信仰、巫女と陰陽道、洞窟や龍宮の他界観、人を神に祀る信仰、神隠しなどを、昔話・説話・絵巻・お伽草子と高知県物部村などでの調査をもとに論じる。論考と随想を部に分けて並べ、「民俗のランドスケープ」の部には妖怪、凧上げ、祓い、霜月祭り、呪い人形をめぐる小文を収める。