姑をホースで走らせた賢い嫁
どんな伝承か
北国分の中村ふみが語る。近ごろの嫁は賢いという。田に薬を撒くからホースを引っぱるのを手伝ってくれと姑を誘い出し、婆さんにホースを持たせて自分は消毒器械を押し、「ほら、お婆さん、あっち行け、こっち行け」と走らせた。婆さんが「ああ、くたびれた」と言うと「何だい、そら、若いくせに」と笑ったという。翌日もまた消毒だと言って駆けさせたので、とうとう婆さんは伸びてしまい、田の畔に倒れ込んだ。去年あたり聞いた話だと語る。
原典より
11 肥料屋の船頭が川へ小便をした話12 兵隊の西瓜泥棒13 「召集せず」の証書14 縁切鋏〔行徳・南行徳〕15 お夏狐16 子狐と赤ん坊17 海老天の好きな狐18 狐の嫁入り—— 市川の伝承民話 第1集(市川民話の会・市川の伝承民話・1980年(昭和55年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第1集(市川民話の会・市川の伝承民話・1980年(昭和55年))
『市川の伝承民話 第1集』は、市川民話の会が昭和五十五年に編んだ民話の資料集である。市川市教育委員会の事業として昭和五十四年度に千葉県市川市の国分・北国分・行徳・南行徳で行った採訪調査のうち、テープ起こしを終えた語りを、方言も残して話者の息継ぎのままに記録している。世間話・伝説・昔話・唄・生活譚の五部に分けて地区別に並べ、話末に話者・地区・記録者の名を添える。