二把三把を二葉三葉で返した重右衛門
どんな伝承か
先に語られた宮下という家の畑で、真間の方へ行く道沿いに二畝ほどの畑があり、俗に「ひとせ畑」と呼ばれた。餅搗きの雑煮に入れる小松菜を採らせようと「おい、じゅえむ殿、畑へ行って菜っ葉を二把、三把取って来てくれ」と言ったところ、重右衛門は何も持たずに畑へ行き、菜の葉を二葉、三葉だけ摘んで「取って来た」と言った。それでは雑煮に足りないと言われると、「二っぱ、三っぱと言うから二っ葉、三っ葉持って来た」と答えたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第1集(市川民話の会・市川の伝承民話・1980年(昭和55年))
『市川の伝承民話 第1集』は、市川民話の会が昭和五十五年に編んだ民話の資料集である。市川市教育委員会の事業として昭和五十四年度に千葉県市川市の国分・北国分・行徳・南行徳で行った採訪調査のうち、テープ起こしを終えた語りを、方言も残して話者の息継ぎのままに記録している。世間話・伝説・昔話・唄・生活譚の五部に分けて地区別に並べ、話末に話者・地区・記録者の名を添える。