田の真ん中に置かれた酒で見破られた手抜き
どんな伝承か
じゅえむさんは印内のじゅえむというのだから印内の人だという。「今日は田の草を取って来い」と旦那に出されたが、すぐに「だんな、終えましたよ」と帰って来た。旦那が「何かあったかい」と尋ねると「何もない」と答える。実は旦那は、重右衛門が年中畦回りだけ取って田の真ん中まで行かないのを試すため、真ん中に酒とつまみを置いておいたのだった。「今日は置いたんだ」と言われ、重右衛門は「ああ、今日は馬鹿みた」と後で悔しがったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第1集(市川民話の会・市川の伝承民話・1980年(昭和55年))
『市川の伝承民話 第1集』は、市川民話の会が昭和五十五年に編んだ民話の資料集である。市川市教育委員会の事業として昭和五十四年度に千葉県市川市の国分・北国分・行徳・南行徳で行った採訪調査のうち、テープ起こしを終えた語りを、方言も残して話者の息継ぎのままに記録している。世間話・伝説・昔話・唄・生活譚の五部に分けて地区別に並べ、話末に話者・地区・記録者の名を添える。