北方の久兵衛の婆の人使いと機転丸
どんな伝承か
北方の久兵衛のお婆さんは機転のきく婆さんで、人が三日も使ったことのない者を三年も使ったという。それで、気のきかない人のことを「北方の久兵衛の機転丸を買ってこよう」と言って歩いたほどであった。あんな変わり者を使うには、よほど自分が機転をきかせたのだろう。田を耕わせるにも弁当箱を一つ持たせてやるだけでなく、いろいろな物を持たせ、こういう人だと心得て気をつけて使っていたのだろうと語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第1集(市川民話の会・市川の伝承民話・1980年(昭和55年))
『市川の伝承民話 第1集』は、市川民話の会が昭和五十五年に編んだ民話の資料集である。市川市教育委員会の事業として昭和五十四年度に千葉県市川市の国分・北国分・行徳・南行徳で行った採訪調査のうち、テープ起こしを終えた語りを、方言も残して話者の息継ぎのままに記録している。世間話・伝説・昔話・唄・生活譚の五部に分けて地区別に並べ、話末に話者・地区・記録者の名を添える。