和田坂に伝わる落馬とトウモロコシの禁忌
どんな伝承か
和田繁盛という人が戦のとき、馬が唐芋の葉に滑って転んだ拍子に落ち、枯れて立っていたトウモロコシが突き刺さって大けがをした。そのため唐芋とトウモロコシを作らないのだという。宮久保から下貝塚へ出る所には今も和田坂という坂が残り、下りた所に下貝塚中学校が新しく建った。下貝塚では唐芋を作らないが、戦争中の食糧難にたった一軒作ったところ、その家の者が大通りで馬から落ちて死んだので、またどの家も作らなくなったという。
原典より
和田繁盛って人は、いくさの時、馬がとうのいもの葉にすべってころんだひょうしに落ちただって。—— 市川の伝承民話 第2集(市川民話の会・市川の伝承民話・1981年(昭和56年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第2集(市川民話の会・市川の伝承民話・1981年(昭和56年))
『市川の伝承民話 第2集』は、市川民話の会が昭和五十六年に発行した民話資料集である。千葉県市川市の曽谷・宮久保・下貝塚と行徳の古老から聞き取った、狐や狢に化かされた話、火の玉、伝説、昔話、唄、暮らしの禁忌や苦労話を、方言を残した語り口のまま記録している。世間話・伝説・昔話・唄・生活譚の五部を地区別に並べて各話の末に話者と記録者を記し、巻末に語り手の紹介、話者と採訪者の名簿、採訪記、あとがきを付す。