虫送り 2
どんな伝承か
曽谷の虫送りは七月中旬頃、安国寺にある大きな太鼓をかついで近所の子供たちが集まって行った。宮久保の方から来る子供たちは「虫送り」を「焼き送り」の意味で「やーきりど」と唱えるが、曽谷では「おーくりどー」と唱える。寺が持つ赤や青の弔いの幟のようなものを二、三本持って歩き、寺を出て太鼓を打ちながら稲の虫を送る文句を唱えた。太鼓は竹を通して二人でかつぎ、横で打った。川で泳いだあとは太鼓を引き上げて戻ったという。
原典より
寺(安国寺)に大きな大鼓がありますからね。—— 市川の伝承民話 第2集(市川民話の会・市川の伝承民話・1981年(昭和56年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第2集(市川民話の会・市川の伝承民話・1981年(昭和56年))
『市川の伝承民話 第2集』は、市川民話の会が昭和五十六年に発行した民話資料集である。千葉県市川市の曽谷・宮久保・下貝塚と行徳の古老から聞き取った、狐や狢に化かされた話、火の玉、伝説、昔話、唄、暮らしの禁忌や苦労話を、方言を残した語り口のまま記録している。世間話・伝説・昔話・唄・生活譚の五部を地区別に並べて各話の末に話者と記録者を記し、巻末に語り手の紹介、話者と採訪者の名簿、採訪記、あとがきを付す。