① 正月の行事(下貝塚)
どんな伝承か
下貝塚の正月には決まった仕来りがあった。三が日の雑煮と灯明は男の仕事とされていた。一月二十日頃には田植えの真似事が行われ、田んぼへ松の小枝を一人で持って行き、鍬で囲いを少し高くこしらえて、その囲いに米と塩を蒔いて帰る。苗代を作る田に向けて豊作を祈るもので、どの家でも行っていたという。
原典より
一月元旦一月七日 七草正月の三ヶ日はお雑煮・お燈明は男の仕事。—— 市川の伝承民話 第2集(市川民話の会・市川の伝承民話・1981年(昭和56年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第2集(市川民話の会・市川の伝承民話・1981年(昭和56年))
『市川の伝承民話 第2集』は、市川民話の会が昭和五十六年に発行した民話資料集である。千葉県市川市の曽谷・宮久保・下貝塚と行徳の古老から聞き取った、狐や狢に化かされた話、火の玉、伝説、昔話、唄、暮らしの禁忌や苦労話を、方言を残した語り口のまま記録している。世間話・伝説・昔話・唄・生活譚の五部を地区別に並べて各話の末に話者と記録者を記し、巻末に語り手の紹介、話者と採訪者の名簿、採訪記、あとがきを付す。