⑥ お盆(下貝塚)
どんな伝承か
下貝塚のお盆は十三日が迎えの日で、縄を張って野菜や稲、梨を下げ、提灯に火をつけて「迎えに来ましたから一緒に行ってください」と唱えて先祖を迎えた。玄関先に水を汲んでおき「ここで足を洗って上ってください」と言って迎え入れ、朝昼晩と飯や素麺を供えた。十五日の夕方には「また来年迎えに行きます」と言って送り出したという。
原典より
あぼひもって、まこもで作ったなわを、その年に出たま竹(青竹)はって、その間に、野菜なんかの初物をあげたんです。—— 市川の伝承民話 第2集(市川民話の会・市川の伝承民話・1981年(昭和56年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第2集(市川民話の会・市川の伝承民話・1981年(昭和56年))
『市川の伝承民話 第2集』は、市川民話の会が昭和五十六年に発行した民話資料集である。千葉県市川市の曽谷・宮久保・下貝塚と行徳の古老から聞き取った、狐や狢に化かされた話、火の玉、伝説、昔話、唄、暮らしの禁忌や苦労話を、方言を残した語り口のまま記録している。世間話・伝説・昔話・唄・生活譚の五部を地区別に並べて各話の末に話者と記録者を記し、巻末に語り手の紹介、話者と採訪者の名簿、採訪記、あとがきを付す。