④ お盆の盆飾り
どんな伝承か
行徳のお盆の飾りは、話者の子供の頃には十一日の夜にあぼしぼを取りに行くことから始まった。ごまや枝豆、あずき、きび、稲の穂、ほおずきなどをどこからでも取ってこられた。十三日には寺にも行き、家の仏壇にもそれを飾る。真菰で縄を編み、仏壇の上と両端に釘を打って縄を渡し、そこへ逆さに掛け、両端と上には笹を添える。その上に七十センチほどもある長いソーメンを掛けたが、いつの間にか廃れた。仏壇には家で採れた物や珍しい物を供え、ナスとキュウリを細く刻んで蓮の葉に載せ、キュウリとナスで牛や馬を作って必ず載せる。十三日の夕方には提灯を持って寺へ行き、刻んだナスとキュウリを寺にも持って行く。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第2集(市川民話の会・市川の伝承民話・1981年(昭和56年))
『市川の伝承民話 第2集』は、市川民話の会が昭和五十六年に発行した民話資料集である。千葉県市川市の曽谷・宮久保・下貝塚と行徳の古老から聞き取った、狐や狢に化かされた話、火の玉、伝説、昔話、唄、暮らしの禁忌や苦労話を、方言を残した語り口のまま記録している。世間話・伝説・昔話・唄・生活譚の五部を地区別に並べて各話の末に話者と記録者を記し、巻末に語り手の紹介、話者と採訪者の名簿、採訪記、あとがきを付す。