太鼓の霊場と呼ばれる唱行寺の由来
どんな伝承か
柏井の唱行寺はもとは念仏の寺で、開基の日唱上人が日蓮聖人を開山に迎え、日蓮宗に改めたという。題目を唱えるようになった上人は居眠りに悩み、それまで叩いていた伏せ鉦を使ってよいかと尋ねたが、聖人はそれを止め、法華経に天の鼓とあるのだから太鼓を打てと諭した。これが「太鼓の霊場」と呼ばれるゆえんだという。住職は、多くの戦をくぐった人に殺された者の死霊が憑くのは当然で、生き霊もまた確かにあると自らの経験から説き、日蓮の四箇格言や女人成仏の教えにも話を広げている。
原典より
――これ、あの日蓮宗になる前は元は、真言かなんか?(根岸)ここはあの「なんまいだ」です。—— 市川の伝承民話 第7集(市川民話の会(調査・編集)/市川市教育委員会(発行)・市川の伝承民話・1999年(平成11年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第7集(市川民話の会(調査・編集)/市川市教育委員会(発行)・市川の伝承民話・1999年(平成11年))
『市川の伝承民話 第7集』は、市川民話の会が調査・編集し、市川市教育委員会が平成十一年に発行した民話資料集である。平成四年度から六年度にかけて市川市の柏井・須和田・宮久保・原木・稲荷木と国分高校ほかで行った採訪の聞き書きを、話者の息継ぎや方言を残したまま収める。世間話・伝説・昔話・唄と諺・年中行事・生活譚・現代若者の学校話の七部に分け、巻末に話者紹介と会員の採訪記、あとがきを付す。