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猿田彦命の椿と鬼が残した椿海

所在地千葉県旭市(椿海)
年代伝承
登場猿田彦命、経津主命、鉄牛和尚、椿海干拓の尽力者
出典房総の伝説

どんな伝承か

香取・海上・匝瑳の三郡にまたがる椿海の由来。昔、猿田彦命が植えた椿の木がどんどん育ち、三郡の空を覆って一帯は常に薄暗く、春に花が咲けば天が赤く染まり、散れば地面が赤くなったという。やがてその大木の枝陰に鬼が住みつき、この国を我が物にしようと企んだ。伊勢の五十鈴川のほとりにいた猿田彦命は空を飛んで帰り、香取神宮の経津主命と力を合わせ、枝の上で寝ていた鬼を大弓で射た。慌てた鬼は椿を根ごと引き抜いてひっくり返し、東の海へ逃げ去った。倒れた椿の上の方を上総、下の方を下総と呼び、根元の跡が約五千町歩の椿海になったと伝える。椿海は江戸時代に鉄牛和尚らの尽力で干拓され、干潟八万石として知られる。

原典より

昔、猿田彦命が椿の木を植えたら、どんどん大きくなって枝や葉を繁らせ、とうとう香取・海上・匝瑳の三郡の空を掩って、このあたり一帯はいつも薄暗い有様であった。—— 房総の伝説(平野馨) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

房総の伝説(平野馨)

『房総の伝説』は、平野馨が安房・上総・下総の旧三国、ほぼ今の千葉県に伝わる伝説を選んで編んだ資料集である。ホトトギスやワラビの由来、片葉の芦や頼朝の箸の杉、弘法の井戸、将門や八幡太郎の話、坂戸神社の人身御供、証誠寺の狸など、動植物・石・池・地名・家・祭りにまつわる伝説を市町村名を添えて記す。はしがきに示す自然伝説・歴史伝説・信仰伝説の三部に分け、解説や論評を加えずに書き連ね、似た話のある土地も併せて挙げる。

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