埋蔵の秘密を夢に告げた菊間の犬塚
どんな伝承か
市原の菊間には昔大きな寺があり、住職の飼い犬は諸坊を回って食べ物をもらっていたが、ある時食にありつけずに死んだ。住職は哀れんで丁寧に葬り、犬塚を築いた。その後、犬の霊が住職の夢に現れ、寺が衰えたら犬塚を掘れ、漆千俵と朱千俵、それに金十億万貫があると告げたという。のちに盗掘を恐れて木花開耶姫命を祀り、浅間の碑を建てた。
原典より
昔、この地に大きな寺院があり、住職の飼犬は各坊を回っては食べ物をもらっていたが、あるとき、食にありつけず死んだ。—— 房総の伝説(平野馨) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の伝説(平野馨)
『房総の伝説』は、平野馨が安房・上総・下総の旧三国、ほぼ今の千葉県に伝わる伝説を選んで編んだ資料集である。ホトトギスやワラビの由来、片葉の芦や頼朝の箸の杉、弘法の井戸、将門や八幡太郎の話、坂戸神社の人身御供、証誠寺の狸など、動植物・石・池・地名・家・祭りにまつわる伝説を市町村名を添えて記す。はしがきに示す自然伝説・歴史伝説・信仰伝説の三部に分け、解説や論評を加えずに書き連ね、似た話のある土地も併せて挙げる。