経津主命が地震を鎮めた香取の要石
どんな伝承か
佐原の香取、香取神宮の境内に要石がある。大昔、この地方は地面がひどく不安定で地震が絶えず、人々は恐れおののいていた。そこで祭神の経津主命が人々の不安を取り除こうと据えたのがこの石だと伝える。石は地中深くまで入り込み、下は広がっていて茨城の筑波山までつながっているともいわれ、これによって初めて土地の揺れが収まったという。昔、水戸黄門がこの神宮に参ったとき、不思議な石だと家来に掘らせてみたが、三日掘っても掘り尽くせなかったと語られている。
原典より
太古、この地方の地面はまだ非常に不安定で、地震が頻繁に起っていたので人々は困り、恐れおののいていた。—— 房総の伝説(平野馨) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の伝説(平野馨)
『房総の伝説』は、平野馨が安房・上総・下総の旧三国、ほぼ今の千葉県に伝わる伝説を選んで編んだ資料集である。ホトトギスやワラビの由来、片葉の芦や頼朝の箸の杉、弘法の井戸、将門や八幡太郎の話、坂戸神社の人身御供、証誠寺の狸など、動植物・石・池・地名・家・祭りにまつわる伝説を市町村名を添えて記す。はしがきに示す自然伝説・歴史伝説・信仰伝説の三部に分け、解説や論評を加えずに書き連ね、似た話のある土地も併せて挙げる。