佐久治穴
どんな伝承か
北総には龍の伝承地が多い。印旛沼には昔から佐久治穴と呼ぶ淵があり、かつてここに一匹の龍が住んでいたという。ある年の夏、印旛沼一帯が大変な日照りに見舞われ、稲は枯れはじめ、井戸や池はもちろん利根川や沼の水までなくなった。この時、こじき坊主といわれたト童が、『佐久治穴の龍は友だちだから』と不安のどん底にいた農民を慰め、十七日間飲食を断って龍神に祈り、『七日に及んで雨が降らねば身を投じて龍神の住みかを荒らす』と誓った。すると七日目に大雨が降り、大願が成就したと伝わる。
原典より
印旛沼にむかしから佐久治穴とよぶ淵がある。—— 房総の年輪 より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の年輪
編『房総の年輪』を全93話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。