落城に笑う地蔵と泣く地蔵
どんな伝承か
坂本にある笑地蔵堂(巡礼十八番)の地蔵は、昔、長南城が落ちたとき、嬉しかったのか「うわは、は」と笑い出したという。すると後ろの泣地蔵(巡礼十九番)は、反対に悲しかったのか、めそめそと泣き出した。坂本村の東と西では、こうした不思議な言い伝えが語り継がれている。
原典より
廳南町坂本にある笑地蔵堂(巡礼十八番)は、昔、長南城が落ちた時、嬉しかつたと思つたか、うはは、は、と笑ひ出した。—— 日本伝説叢書 上総の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・1917年(大正6年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説叢書 上総の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・1917年(大正6年))
『日本伝説叢書 上総の巻』は、藤沢衛彦が大正六年に編んだ上総国の伝説集である。夷隅・長生・山武・市原・君津の五郡にわたり、地名の由来、社寺の縁起、城と武将の事跡、大蛇や狐つきの怪異、俚謡や民間の風俗を、口碑や『総国誌』などの地誌から集める。巻頭に著者の序と緒言を置き、上総国と郡の名義を説いたのち、郡ごとに町村の所在を添えた見出しで一話ずつ並べる。