荒神様
どんな伝承か
昔々、ある処に本家と分家があり、どちらも富裕であった。ある日、分家の主人が驟雨に遭ってどうろく神の祠で雨宿りをしていると、乞食と祠のどうろく神が、今日この本家に生まれるのは男の子、分家は女の子で、二人を夫婦にすれば、と相談するのを聞いた。帰宅すると果たして自分の家には女子が、本家には男子が生まれていた。やがて二人は娶せられたが、姑は嫁を嫌って追い出す。嫁は山中の一軒屋に拾われて財宝に囲まれ、本家の男は賭博で身代を潰して笹売りに落ちぶれ、その家を訪ねて相手が元の妻と知り、驚きのあまり悶絶して死んだ。女は遺骸を側に埋め、墓に牡丹餅を供えて荒神様として祀ったので、荒神餅を粗末にするなと言い伝える。
原典より
昔々、ある処に、本家と分家とがあった。—— 日本伝説叢書 上総の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・明治~昭和初期(推定)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説叢書 上総の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・明治~昭和初期(推定))
藤沢衛彦編『日本伝説叢書 上総の巻』を全218話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。