後ろを振り向けぬ荒神様のお札
どんな伝承か
行徳では神様の中で一番怒りっぽいのは稲荷様と荒神様だと言われた。今の子にそんな話をしても嘘だと思われるだろうという。常運寺の坊さんに聞くと、荒神様が一番腹立ちやすいのだそうだ。今は燃やさないからよいが、昔は竈で真っ黒だった。荒神様のお札を持って帰る時は、家に着くまで後ろを振り返ってはいけないとされ、三十日の祓いをして納めた後も同じく振り返ってはいけなかったと語られる。
原典より
神さまの中で一番の怒りっぺは稲荷さまに荒神さまだってね。—— 市川の伝承民話 第1集(市川民話の会・市川の伝承民話・1980年(昭和55年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第1集(市川民話の会・市川の伝承民話・1980年(昭和55年))
『市川の伝承民話 第1集』は、市川民話の会が昭和五十五年に編んだ民話の資料集である。市川市教育委員会の事業として昭和五十四年度に千葉県市川市の国分・北国分・行徳・南行徳で行った採訪調査のうち、テープ起こしを終えた語りを、方言も残して話者の息継ぎのままに記録している。世間話・伝説・昔話・唄・生活譚の五部に分けて地区別に並べ、話末に話者・地区・記録者の名を添える。