鋳直しを拒んで千葉寺へ帰った戻り鐘
どんな伝承か
千葉寺には戻り鐘と呼ばれる不思議な鐘がある。伝えでは長禄二年十二月二十二日のことといい、この鐘を改鋳しようと鋳物師を雇って火にかけたところ、鐘が「千葉寺へ、千葉寺へ」と鳴り響き、どうしても鋳ることができなかった。そのため鋳物師はその夜のうちに鐘を再び千葉寺へ戻したといい、以来この名がついたと伝わる。今も破れたまま朽ちた鐘楼に掛かっている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説叢書 下総の巻(藤澤衛彦・日本伝説叢書・1919年(大正8年))
『日本伝説叢書 下総の巻』は、藤澤衛彦が編著し、大正七年の緒言と大正八年の序を添えた下総国の伝説集である。平将門・佐倉宗吾・真間の手児奈・累などを中心に、千葉県と茨城県西部にまたがる旧下総の城跡・寺社・墓・橋・井戸などにまつわる伝説を、地誌や古記録の引用を交えて収める。緒言で百七十九編を収めると述べ、国名の由来から始めて、話ごとに所在の町村名を付した見出しを立てて並べる。