桑の兒の嫁
どんな伝承か
安房郡那古町の那古の浜には、桑の児の嫁と呼ばれる貝が寄ることがある。その貝は蛤に似て小さく、殻には桑の葉の紋があり、あるいは木賊に似た筋のあるものもあるという。普通の貝は決して寄らず、十四日の夜にだけ寄るといい、里の言い伝えでは、これを桑の児を婿とする嫁貝と呼んで、その夜、里人は貝の寄るのを待って探るのだという。「房総志料続篇」には、里人が提灯を点し、熊手で砂をかき探るとあり、貝は白く丸みを帯びて細長く、味は他の貝にまさると記されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説叢書 安房の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・江戸~明治時代)
藤沢衛彦編『日本伝説叢書 安房の巻』を全186話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。