長九郎瀧
どんな伝承か
安房郡田原村大字太田学にある長九郎瀧は、里伝に、長九郎という者が滝に身を投げた遺址であると言い伝えられている。「房総一覧志」によれば、長九郎は安西景春を助けて丸氏を滅ぼした軍功によりその領地を得ていたが、里見軍に攻められ、利あらずしてこの滝に身を投じ、その屍は滝の下に沈み、その霊は滝の主となったという。ただし今、その霊を祭る祠など確かな証跡は残っていない。この村の旧記によれば、この滝の名称は恐らく付会で、「正木家譜」にも、里見義頼の代、すなわち天正十一年、里見軍に攻められようとしたところ、その臣長九郎は一党とともに逃走したと記されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説叢書 安房の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・江戸~明治時代)
藤沢衛彦編『日本伝説叢書 安房の巻』を全186話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。