空腹の樵夫を呑み込んだ山姥の谷
どんな伝承か
この谷より下流の村に住む樵夫は、一か月分の飯米を一度にまとめて食う習わしだった。あるとき大の月を小の月と勘違いし、二升九升しか食わずに山へ入ってしまう。三十日目には空腹に耐えかね、山を下る途中で、ヘンボを頭にかぶった山姥に出くわし、そのまま呑み込まれた。木の枝の下を通ったとき枝に飛びつき、斧で山姥に斬りつけると、山姥は叫びながら谷へ走り去った。山鳴りと震動がすさまじく、樵夫は村へ逃げ帰ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊)
柳田国男・日本放送協会編『日本伝説名彙』を全650話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。