鎌を隠した天狗と腕白な少年
どんな伝承か
南会津郡大宮村の大新田出身の星盛は、幼い頃、天狗様の祠にある木の切株に登って焼餅を食べていた。鷹が空から狙っているので降りよと言われても、腕白な盛は餅を差し上げて「鷹よ鷹とらばとれ」と叫び、天狗にさらわれるぞと嚇されても「天狗天狗さらわばさらえ」と大声を上げていた。しばらくして背負袋に鎌と鋸を入れて帰る途中、木の枝もないのに後ろへぐいぐい引かれた。振り返ると鎌が一、二間先に落ちている。拾って袋に入れたがまた消え、家の者と捜しても見つからない。数日後、その付近の樹上数間の高さに鎌がかかっていたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考・1970年代)
松谷みよ子『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』を小話単位で全532話収録。河童・天狗・神かくしにまつわる現代の民話・怪異譚を全国から採集し、地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明530話・市区町村判明477話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。