母の死を知らせた前夜の夢
どんな伝承か
私の母は昭和二十六年七月十三日の早朝、七十歳で亡くなった。私は結婚して母の家から四キロ位離れた所に住んでいたが、その前夜の十二日、自分のわきに母親が寝ている夢を見た。翌朝、家内にその話をしているところへ、実家から母の死の知らせを受けた。母は眠ったまま、朝になって死亡していたのであった。茨城県那珂郡大宮町の藤田実が寄せた、夢による死の知らせの一例である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。