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山茶花の並木に消えた弟の夢

所在地東京都練馬区上石神井
年代現代
登場今村泰子
出典現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂

どんな伝承か

昭和五十年、熊本に住む弟がガンの宣告を受けた。遠く離れて縁の薄い姉弟だったが、それだけに姉はつらく、神仏や道端の地蔵にまで願をかけて歩いた。七月九日の夜、秋田にある家が夢に出てきて、その門口に重い病の弟がじっと立っていた。近寄ろうとすると弟の周りは淡い桃色の山茶花の並木道になり、弟は花に包まれて遠ざかり、一度戻ってからまた静かに去った。目覚めた姉は怖くて乗ったことのない飛行機で熊本へ駆けつけたが、弟はその夜、五十三年の生涯を閉じた。弟は肥後椿や山茶花を好み、庭に数多く植えていたという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)

『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。

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