人波に逆らって去った姑の夢
どんな伝承か
昭和五十年のことである。語り手の姑が、混み合う駅のホームのような場所で、人の流れに逆らってどんどん向こうへ歩いていく夢を見た。こっちよ、迷子になりますよといくら呼びかけても、一度振り返っただけで行ってしまう。四、五日は気にかかっていたが、当人はいたって元気だったので、そのうち忘れていた。ところが一か月ほどのち、姑は脳卒中で急に亡くなった。あとになって夢を思い出し、腑に落ちるような妙な心地がしたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考・昭和50年代~60年代(推定))
松谷みよ子『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』を小話単位で全513話収録。夢のお告げ・予知夢、火の玉、ぬけ出した魂(離魂)など、心と生死の境にまつわる現代の民話を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明482話・市区町村判明386話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。