毎夜夢に出る被害者に耐えかね自首
どんな伝承か
昭和五十七年五月三日の午前六時ごろ、無職の男が札幌中央署に出頭し、女性を殺して自分のマンションの部屋に置いてあると自首した。署員が部屋を調べると、交際していたウエートレスの腐乱死体が見つかり、男は殺人の疑いで緊急逮捕された。調べによれば、覚醒剤を買う金に困って女性から借金し、二月下旬に返済を迫られて甲斐性なしとなじられ、逆上して両手で首を絞めたという。死体は寝室の布団に毛布をかけて放置していた。男は友人宅を泊まり歩いていたが、最近は毎晩のように被害者が夢に出てうなされるので自首したと述べた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。