母の夢が示した千葉公園の眼鏡
どんな伝承か
七月四日の月曜の朝、市役所の清掃員が千葉公園の茂みの陰で女性の死体を見つけた。胃から青酸反応が出たため自殺も疑われ、捜査は行き詰まった。五週間ほど経った頃、大原町に住む母親が奇妙な夢を繰り返し見ると話し出した。満月の晩、眼鏡をかけた工員風の若い男が娘に声をかけて歩き、暗がりで襲いかかる。男は逃げる途中で石段に這い上がり、眼鏡を落として片方を壊し、探しても見つからず立ち去った——同じ夢を三度見たという。改めて調べると、あずまやへ上る階段の脇から眼鏡の玉の破片が出た。眼鏡店をたどって浮かんだ溶接工場の工員が犯人だった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考・昭和50年代~60年代(推定))
松谷みよ子『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』を小話単位で全513話収録。夢のお告げ・予知夢、火の玉、ぬけ出した魂(離魂)など、心と生死の境にまつわる現代の民話を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明482話・市区町村判明386話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。