三晩続いた花畑の夢と伯父の死
どんな伝承か
私の母が不思議な夢物語を話してくれた。十年程前に子宮の病気で入院し、退院後も後遺症で随分苦しんだが、その間に三日続けて、まったく同じ場所の夢を見たという。一日目は二十五、六年前に亡くなった父と山道を歩き、はよせろと急かされて山奥へ行くと、一面の花畑に出た。仏様の花を思い出して脇道の花を二、三本とっていると急に父がいなくなり、母は来た道とは違う道を通って帰った。二日目は同じ花畑で、父の兄の松男じいが木にのぼって白い花を折っており、父は柿をちぎってくれた。三日目は三人で話していたが母だけ帰り、父と松男じいは山の方へ行ってしまった。数日後、松男じいの死の知らせが届いた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。