金色の夢と占い女が告げた大金
どんな伝承か
水上町藤原での話。藤原がダムになる前のこと、語り手は夢を見た。朝なのに空が夕焼けのように真紅になり、まぶしい金色のものがヒューと降りてきて、川のあたりにドーンと落ちたとたん銀色のしぶきがぱっと上がった。はっとして目が覚めると夜明けであった。その日、山から帰る途中でおたきさんの家に寄ると、占いをみるという見知らぬ女の坊が来ていた。女は柄のついた鏡のようなものを出して語り手の顔を覗き込み、不思議なことを考えているが悪いことではないと言い、「あんた近いうちに思いがけない金が入るよ」と告げた。朝の夢の話をすると、それは気持のいい夢だという。やがて藤原ダムができ、やはり思いがけない金が入った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。