桔梗が生えない将門山の里
どんな伝承か
平将門の最期の地と伝わる将門山にまつわる言い伝え。将門は顔の似た影武者を七人も従えていて、敵は本物を見分けられなかったが、貞盛と秀郷は美女を送り込んで探らせ、こめかみの動く者が本物だと突き止めて、佐倉のあたりの戦いで将門を討ち取ったという。佐倉の近くの将門山という小山は、将門が戦死した場所と伝えられる。そして将門の秘密を敵に漏らした女の名が桔梗前だったことから、この地方には桔梗が決して生えないといわれている。
原典より
スパイとして将門に接近した美女の名は桔梗前といったので、その後この地方には決して桔梗が生えないという伝説もある。—— 江戸動物民話物語(窪田明治) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
江戸動物民話物語(窪田明治)
『江戸動物民話物語』は、「郷土史・東京」の刊行会を主宰した窪田明治が、東京の郷土史を調べた材料から江戸の民話を選んでまとめた本である。狐や狸、猫、蛇が人を化かし、恩を返し、祟る話を中心に、本郷・王子・向島・麻布・三田など東京各地に伝わる話を収める。狐・狸・猫・蛇・不思議な生き物の五部に分け、一話ごとに舞台となった土地の史跡や寺社の由来、沿革の解説を添え、まえがきとあとがきを付す。