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火防の笠を奪い合う王子権現の田楽

所在地東京都北区王子本町一丁目(王子神社)
年代伝承(口承)
登場(類話)
出典江戸動物民話物語

どんな伝承か

王子権現、今の王子神社の槍祭は、喧嘩祭とも呼ばれたにぎやかな祭りだった。長い太刀を何本も腰に帯びた武者姿の者が出て、境内を七度半走り回る神事があり、続いてビンザサラや笛の音に合わせた田楽舞が、社殿前の吹き抜けの舞殿で奉納された。舞い終えると、舞人がかぶっていた色とりどりの笠が見物人の中へ投げ込まれ、人々は先を争って奪い合った。この笠は火事よけのまじないになると信じられ、舞の途中で舞殿に飛び上がって笠を奪う者まで出たので、舞殿の周りには竹矢来が組まれた。鳥居のあたりでは、同じくまじないになるという小さな槍の玩具も売られていたという。

原典より

舞の最中に舞殿におどり上って、この笠を奪い取る者があるので、竹矢来が舞殿の周囲に設けてある。—— 江戸動物民話物語(窪田明治) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

江戸動物民話物語(窪田明治)

『江戸動物民話物語』は、「郷土史・東京」の刊行会を主宰した窪田明治が、東京の郷土史を調べた材料から江戸の民話を選んでまとめた本である。狐や狸、猫、蛇が人を化かし、恩を返し、祟る話を中心に、本郷・王子・向島・麻布・三田など東京各地に伝わる話を収める。狐・狸・猫・蛇・不思議な生き物の五部に分け、一話ごとに舞台となった土地の史跡や寺社の由来、沿革の解説を添え、まえがきとあとがきを付す。

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