荒神の樫を伐った三人が同年に死ぬ
どんな伝承か
畑の村上という家のうしろに、大きな樫の木が一○本ばかりあった。下は高い崖になっていて、その下は田である。この樫は荒神さまの杜木であったが、これが陰になって下の田の持主から苦情が出て、伐ることになった。そして樫の持主である上の家の養子の親子と、田の持主と三人で伐った。ところがようやく仕事が終って、これでよくなったといって田の持主が帰り、戸口を入ると頭が痛くなり、上の家の親子も具合が悪くなって、三人とも死んでしまった。一五○年ほど前のことである。墓を調べてみると明治七年のことで、田の持主は五月二○日、木の持主は一一月の二日と八日に死んでいる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考・昭和〜平成)