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伐れば筑後が水没するといわれた口高の大楠

所在地福岡県久留米市田主丸町口高
年代昭和二七年(落雷)、昭和二八年四月(伐採)とその二〜三か月後の大洪水
登場吉武栄蔵、矢野信保、回答者
出典現代民話考 9 (木霊・蛇)

どんな伝承か

田主丸町を流れる筑後川の支流、巨瀬川の北岸の口高という所に、大人五、六人でも囲めない大きな楠があった。この楠を切り倒すと筑後中が水没するような大洪水になるといわれていたという。ところが昭和二七年、この木に雷が落ちて枯れてしまい、翌二八年四月に切り倒された。筑後地方をあの有名な大洪水が襲ったのは、それから二、三か月後のことであった。この言い伝えは昭和一五年刊の伝説集にすでに載っており、洪水の後の作り話ではない。木にはしめ縄が張られ、息を止め目をつぶって周りを一〇回まわると姫や白蛇が出るとも、切ろうとした者はたたりで切れなかったともいわれていた。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考)

『現代民話考 9 (木霊・蛇)』は、松谷みよ子が全国の回答者から寄せられた報告と各地の民話集をもとに編んだ『現代民話考』の一巻である。明治から平成にかけて語られた、伐ろうとすると祟る木・泣く木・血を流す木などの木霊の話と、大蛇やつちのこ、蛇婿・蛇女房、主や守り神としての蛇、蛇と福運などの話を、話者や回答者の名とともに収める。第一章「木霊」と第二章「蛇」を主題ごとの節に分け、各話例の後に「分布」として類話の地名と出典を並べる。

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