イモ畑を免れた日本最大のオリーブ園
どんな伝承か
五月の風に、山を覆いつくしたオリーブの木々が銀色の葉裏をひるがえす。前には瀬戸内海の波が陽を受けて光り、一瞬ここが日本なのか、地中海のどこかの国かと錯覚するほどだという。邑久郡牛窓町のこの地には、一万本を超す日本最大のオリーブ園がある。地中海でしか育たないと思われていた木が、なぜここにあるのか。所有者の服部亨さんによれば、第二次世界大戦の最中、県は食糧増産のためこの山もイモ畑にする計画を立てた。それでは自然の荒廃が取り返しのつかないことになると考えた先代が、オリーブ園にすることを思いついたのだという。冒険ではあったが、百年先を見越した計画だったと服部さんは語る。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 9 (木霊・蛇)』は、松谷みよ子が全国の回答者から寄せられた報告と各地の民話集をもとに編んだ『現代民話考』の一巻である。明治から平成にかけて語られた、伐ろうとすると祟る木・泣く木・血を流す木などの木霊の話と、大蛇やつちのこ、蛇婿・蛇女房、主や守り神としての蛇、蛇と福運などの話を、話者や回答者の名とともに収める。第一章「木霊」と第二章「蛇」を主題ごとの節に分け、各話例の後に「分布」として類話の地名と出典を並べる。