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被爆して生き残った榎を守る子供たち

所在地広島県広島市中区(基町小学校)
年代一九四五年八月六日以降
登場基町小学校の子供たち、大阪から来た八〇歳過ぎの樹木医、松谷みよ子、報告者
出典現代民話考 9 (木霊・蛇)

どんな伝承か

一九四五年八月六日、広島に原爆が落とされた。灰燼の中に、焼けただれた榎が一本立っていた。やがて町は復興し、近くに基町小学校が建つ。榎も芽を吹いて枝を伸ばしたが、原爆にえぐられた幹の洞へ、ごみや空き缶が投げ込まれるようになった。心を痛めた小学校の子供たちは、この木を守ろうと呼びかける立て札を立て、掃除をし、水をやった。捨てる人は減ったが、台風が二度来て枝は折れ、木はまた無残な姿をさらす。各地から千羽鶴や便りが届き、大阪から八〇を過ぎた樹木の医者が来て、まわりの土を掘って手当てをした。榎は若い芽を出したものの、やがて力尽きた。そのそばでは二代目が育ちはじめ、子供たちは枯れた木と若木の両方を守り続けているという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考)

『現代民話考 9 (木霊・蛇)』は、松谷みよ子が全国の回答者から寄せられた報告と各地の民話集をもとに編んだ『現代民話考』の一巻である。明治から平成にかけて語られた、伐ろうとすると祟る木・泣く木・血を流す木などの木霊の話と、大蛇やつちのこ、蛇婿・蛇女房、主や守り神としての蛇、蛇と福運などの話を、話者や回答者の名とともに収める。第一章「木霊」と第二章「蛇」を主題ごとの節に分け、各話例の後に「分布」として類話の地名と出典を並べる。

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