第一スタジオに響く女のすすり泣き
どんな伝承か
東宝撮影所の第一スタジオでは、昭和一七年、名の知られていない新人女優が同じ撮影所の男優との間に子を宿した。だが男の両親が結婚を許さず、周囲の目も冷たい。追い詰められた彼女はノイローゼに陥り、ある夜このスタジオで毒を仰いで命を絶った。以来、ここでラブシーンを撮ると、どこからともなく女のすすり泣きが漏れてくる、寝室のセットで撮影の合間や夜に大道具の者が横になっていると必ず泣き声がする、といううわさが広まった。神主を招いて祀ったものの、このスタジオは火災が二度起きるなど事故が絶えないという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪談集 幽霊篇(今野圓輔・今野圓輔・日本怪談集・昭和(怪談集成))
日本各地の幽霊・人魂・生霊の実話怪談を十章+幽霊外伝に分類して集成する。