墓地の前で下りた男の霊
どんな伝承か
ふみちゃんの家に男の霊が出なくなった頃、真夏なのに一日中寒くて体が重いという親戚のおばさんがいた。東京の世田谷に住むこのおばさんは、ふみちゃんの家に立ち寄った日、駅を降りて家へ帰る途中もすれ違う人が振り返るほど様子がおかしかった。ところが途中の墓地の前まで歩いてくると、急に体が軽くなり、汗がふき出したという。その墓地には、小田原で交通事故死し久野霊園に葬られた、以前は世田谷に住んでいた男の新しい墓があった。男を背負って墓地に置いてきたらしいと噂された。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
奇譚草子(夢枕獏・1980年代~1990年代初期(推定))
夢枕獏による短編怪談集『奇譚草子』は、著者が友人や知人から聞いた伝聞話を中心とした怪談を集めた作品。生霊から幽霊、見えない霊的存在まで、多様な心霊現象を描く。登場する舞台は東京・神奈川・長野・岩手など全国各地で、都市の住宅から北八ヶ岳などの山岳地帯まで広がっている。金縛り、ポルターガイスト、予知能力、夢遊病など複数の超常現象パターンが繰り返し登場。