辻番所の前に立つ光る目の童女
どんな伝承か
北五番丁の堤通東の横丁では、十四、五歳ほどの少女が辻番所の前に立っている姿がたびたび見かけられた。正徳二年正月二十四日の夜、菊地治助という者がそこを通りかかると、その童女が小さな盆を持って歩いていくのに出会った。闇夜であるのに、白目と黒目の境がくっきりと光って見えるのが何とも薄気味悪く、また不思議でもあった。持っていた杖で打ちすえようかとも思ったが、番所の宿守の娘かもしれぬと迷っているうちに、姿は消え失せてしまったという。横丁の西角は加藤重三郎の屋敷であった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
宮城県史 民俗編(茂木徳郎(「妖怪 幽霊」の章)・宮城県史シリーズ)
『宮城県史 民俗編』は宮城県の県史の民俗編で、ここに収めるのは茂木徳郎が執筆した章「妖怪 幽霊」である。山・道・木・水・海・雪・家など出現の場所による分類に沿って妖怪変化を論じ、幽霊とヒトダマ・死霊・生霊の観念を考えたうえで、県内の妖怪・幽霊・動物変化の伝承を郡・町村名を添えて集める。序説・本論・事例篇・参考の順に並び、序説では昭和二十四年の迷信調査と昭和三十年のNHK仙台中央放送局の調査にも触れる。