12:突然に厠で女の髷が自然と切り落される
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どんな伝承か
明治七年三月十日の夜九時すぎ、東京本郷三丁目一番地の袋物商鈴木米次郎方の下女ぎんが、裏手にある共同便所へ行き、まさに入ろうとした時、ぞうっとする心地がすると同時に頭の髪が顔の上に振り乱れ、突然の散髪となった。ぎんは悲鳴を上げて傍らの家へ走り込み、そのまま気を失って倒れた。介抱されて正気に返り事情を語ったので便所の近傍を探索したが変わったことはなく、ただ結っていた達磨返しという髷が根元から切り落とされ、地上に転がっているだけであった。俗にいう髪切りの怪異だろうということになり、以後は白昼でもこの便所に入る者がなくなったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪奇集成-明治大正昭和篇(富岡直方編著・日本怪奇集成・昭和初期(推定昭和2-3年))
明治・大正・昭和の怪奇譚(日本怪奇集成)/生首と幽霊の怪/狐狸のいたずら/怪盗と世相の怪異/各時代の不思議な事件
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