犬と寝起きした娘が産んだ犬顔の子
どんな伝承か
大正十三年七月、茨城県結城郡安静村のある家の娘しづ(当時十七歳)が妊娠し、月満ちて産んだ子は顔が犬そっくりで足が四本ある畸形児であった。親たちは驚きひそかに上京して大学病院に入院させたが、母子とも至極壮健であったという。娘は平素から犬を大変可愛がり起臥を共にしていたため、犬の霊気を感じてこのような子を産んだのだろうと噂された。
原典より
その嬰児というのは、顔がまるで犬そっくりで、足が四本あり、その足も犬のそれと少しも変りがなかった。—— 日本怪奇集成-明治大正昭和篇(富岡直方 編著) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪奇集成-明治大正昭和篇(富岡直方 編著)
『日本怪奇集成-明治大正昭和篇』は、富岡直方が編んだ怪奇実話集である。明治元年から昭和七年までに各地で起きた幽霊や狐狸の怪、畸形や奇病、天変や奇瑞、世相の珍事を、当時の新聞・雑誌の記事と筆者自身の聞き書きから集めている。明治・大正・昭和の三篇に分け、話ごとに年月を掲げて通し番号を振り、新聞記事を引いたうえで紙名を末尾に添える形を基本とする。