夢のお告げで十二歳を婿にした寡婦
どんな伝承か
宮城県栗原郡松倉村に麦沼という家があった。その家には当時五十七歳の寡婦が養子とともに住んでいたが、ある夜、寡婦は世にも不思議な夢を見た。夢の告げは「もしお前が早く十歳から十五歳の男を良人にしないと、今年中に一命を失ってしまうぞよ」というのである。あまり奇妙な夢であり、命が惜しくもあって、まず養子に相談した。養子は柔順な孝行者で、養母の夢知らせを聞くと真面目に心配し、諸方を駆けまわって知人に相談したが誰も笑って相手にしない。やむなく実家に行って話をつけ、当時十二歳になる自分の弟を連れ帰って養母の良人とし、奇妙な結婚式をあげて披露の宴を開いたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪奇集成-明治大正昭和篇(富岡直方編著・日本怪奇集成・昭和初期(推定昭和2-3年))
明治・大正・昭和の怪奇譚(日本怪奇集成)/生首と幽霊の怪/狐狸のいたずら/怪盗と世相の怪異/各時代の不思議な事件